2019/04/30

平成最後の ←言いたいだけ

平成最後でも令和最初でもええやんと思っていたのですが、令和最初はいつでも書けるけど、平成最後は今日しかないかと思い直して書き始めました。


わたしが初めてカンボジアの地を踏んだのが1997年、平成9年のことです。
昭和が終わるときはたしか中学3年生だったのかな。
ちょっと話がそれますが、この年に昭和の歌姫・美空ひばりが亡くなって、子どものくせに妙に悲しみにふけっていた時、クラスのイケイケの女子に「ひばりちゃん亡くなったなあ、さみしいわ」と言われて、このイケイケ女子もひばりちゃん好きやったんか!と驚いたことだけは鮮明に覚えています。
ひばりちゃんが亡くなって昭和が終わった・・・という感覚を持っている人もたくさんいるのではないかと思います。

わたしたちは昭和後期の記憶もはっきりあり、平成も初めから終わりまでちゃんと覚えている世代になるんですね。
そんなことあまり考えたことなかったけど。

そしてその平成の三分の二くらいはカンボジアで過ごしたことになります。

だからわたしは平成時代の日本を肌で感じる機会が少ないままに、今に至りました。


先日平成生まれの(息子と同い年)若者二人が施設を訪問してくれたのですが、そのときにこんな話をしました。


「イマドキの若者は」という言葉、これってどの世代も若いときに必ず言われるものだと思うんです。
そのときそれを言う人が物事を判断する基準は、自分たちの生きてきた時代なんですよね。
言い換えれば「自分たちの頃はこうだったのに」みたいな気持ちが強い。
まあ自分たちが一番と思いたいのは人の常なので、ある程度はいいんですけど。


わたしの母は戦後生まれ、父や叔父、叔母たちは戦前生まれでした。
母は親戚が集まったりしたあとに、よく「戦前の人たちの考えが自分には理解しづらいけど、教育の違いなんかなあ」と言っていました。
そして自分が開いていた茶道や華道の教室に来る若い生徒さんたちに「今の若い子はしっかりしてる。自分の考えをちゃんと発言できるし、わたしらの若いときと違うわ。」とも言っていました。

自分と違う世代の人たちを知ろうとか理解しようする気持ちが見て取れました。
特に若い人たちへの期待が。

自分たちはこうだったからと相手に押し付けると、相手はその時代を知らないから混乱するんでしょうね。
その人たちが生まれたころ自分は大人になっていたわけなので、その感覚のギャップを埋めようと思ったら、想像したり、その世代の人たちの話をたくさん聞くしかありません。

「それが足りないからいつまで経っても理解し合えないのだとしたら、若い人たちの話を聞いてみたいな。こっちの感覚を押し付ける前に。みんなにもわたしらのことを理解してもらいたいから。」と、彼らに話していました。

母の影響もあるし、平成のほとんどをカンボジアで過ごし、平成時代の日本を直接感じる機会が少なかったこともあるでしょう。
実際のところ、平成後半に生まれた人たちが、日本とか社会にどんな感覚を持って子ども時代を過ごしたのかは興味があります。

「今日はここまで来て、色々と話を聞かせてくれてありがとう」
という言葉が自然に出ていました。

そしてもう一つ。

イマドキの若い子たちを育てたのは誰なのか、ということを忘れてはいけないと思います。
あいさつができないなど礼儀がなってないという話もよく聞くけど、教えられてないからじゃないのかな。
もちろん実際にそういう人に会うと不愉快でムッとしてしまう自分がいるんですけど、落ち着いて考えると教えてもらってないことはできないし、教えなかった周りの大人の罪を感じたりします。
自分たちの時代がよかったと思うなら、それを下の世代に伝えないとね。
教えてもらえずに大きくなった人たちが気の毒でもあります。
反対にきちんとできる子にも会うんですけど、そのときは「ご両親、近くにいたであろう大人の皆さん、ありがとう」と思います。


毎日のなんでもない日々に当たり前のことを当たり前に積み重ねておかないと、10年とか20年経ったときに取り返しのつかない澱のようなものがたまってしまう、大人の責任ってこういうところにあるのかな、と。


取り返しのつかないと書きましたが、取り返しはつくんですよね、きっと。
それは今日からでも、そのなんでもない当たり前のことを積み重ねる日々を始めることなんです。

結果がいつわかるのかわからないことに取り組むのって難しいんですけど、自分と自分の近くにいる人への愛とか思いやりがあればできる、というか、やらないとね。
そのためにはなんでも他人事にしないで、自分は何ができるのかと考えで行動することが大切です。

明日から始まる令和をそんな時代にしたいなって思います。
地味に。淡々と。静かにこっそりと決意表明です。


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